外縁の響

音楽のガイエン、そしてゲエンとしての響

島田式における即興の技術-都1、都節音階とその音階練習

小泉理論では日本伝統音階には核となる音が2つあり、一つは主音、もう一つは核音と呼ばれます。それ以外の間にある音は中間音と呼びます。島田式では主音=核1、核音=核2と言いますが、もう一つ場面に応じて核音としても中間音としても機能する音があり、これを核3と呼びます。譜例1はC=ハ=神仙を主音とした都節音階です。

都節音階

イタリア音名

ド、ラ♭、ソ、ファ、レ♭、ド ||ド、レ♭、ファ、ソ、シ♭、ド|

譜例

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島田式では主音に2度で接する音=導音*1が上にあり、下行して主音に進む音階を下行形音階と呼び、その2度が短2度である場合陰音階と呼びます。つまり、都節音階下行陰音階と言えます。また、下行音階である都節音階の旋律が、(反対に)上がって主音に進む際、短6度音(譜例ラ♭)に替わって短7度音(譜例シ♭)が使われる場合があります。この形を上行形(異向形)と言い、変化した短7度音を異向形導音または異向形中間音と呼ぶことがあります。これについては別項で説明します。

 

律音階の音階練習

このシリーズ記事は楽器自体の練習のためのものでは無いので、簡単に音階に慣れるための音階練習曲を挙げておきます。練習曲をひく速さ(テンポ)は適宜決めてください。ゆっくりから始め、正確にひけてからより早いテンポで練習しましょう。

f:id:esrajs:20200428211116p:plain下に書いた数字は一段目が目数*2、二段目は度数(「完全」は省略)、三段目は音程間の半音の個数ですが、これだけは開始音から下に数えています。譜面はC都節音階ですが必要な調子に移高する時に使えます。

次のものはより広い音域にわたっています。

f:id:esrajs:20200428211449p:plainオクターブ以上の音程に目数をつけました。二段目は単音程*3に直した物です。

 

練習曲はどのオクターブかは問いません。楽器によっては音域が合わない、または足りない場合を考え、核2から始まる練習曲も挙げておきます。

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*1:狭義では主音の半音下の音のみが導音と言えますが、島田式では長、短2度で上下に主音(時には核音の場合も)に接する音を全て導音と呼びます。

*2:音階の何番目か

*3:オクターブ内の音程 最初の目数を例にとると6メー5=1メ