外縁の響

音楽のガイエン、そしてゲエンとしての響

島田式における即興の技術-都4、P1反行形

前項でやった琉球フレーズ1です。

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奇数偶数フレーズとも音程を上下反対にした反行形でもその性質は変わりません。

都P1を上下反対にすると以下のようになります。2小節目は異向形導音を使いました。(赤い音符)

反行形:

ド、ラ♭、ソ、ラ♭、ド、レ♭、ド、ラ♭、|ソ(またはド)

ド、ラ♭、ソ、ラ♭、ド、レ♭、ド、シ♭、|ド(またはソ)

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譜例ではより適した解決音を各1つずつ書きましたが、どちらのフレーズも開始音から1目(同度)、または3目に解決できます。
7音音階用である五線譜に書くと見た目が綺麗な反行形に見えませんが、試しにP1とP1反の目数を足すと2か7になっています。このように反行形は足すと2+5xの目数になります。またこのフレーズでは反行形は前後逆にした逆行形とたまたま同じになります。

前の記事で書いた都P1の練習曲と続けて練習しましょう。

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実際には曲の中でどう使えるか示します。

特に即興演奏の際、解決音(P1では9つ目の音)は所属する和音の中音になるのが安全です。陰音階*1では上音と下音が短2度になる可能性があり、不用意にこの音程を作る音に解決することは避けた方が良いからです。

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曲として続けて2回使う例です。

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*1:都節音階と琉球音階