外縁の響

音楽のガイエン、そしてゲエンとしての響

島田式における即興の技術-14イ、琉調導和音の読み替え

民調の導和音を主和音とした琉調について考えてみます。

琉調の導和音は2つの中間音を構成音として含みますが、この2つの音、aとdは元々律の中間音でした。短7度琉の導和音は主調民導和音に律中間音を付加したものの一部省略した形と同じです。核2和音も同様です。

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したがって、この短7度琉の導和音は主調民の導和音でもあって律の旋律を使うことができることになります。そしてこのように解釈した場合、7度琉主和音4B♭に収束させることをせず、二重の調で見たように律付加のまま直接主調民にもどります(2小節目)。

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ここで偶数フレーズを使う場合、民の2メ上下を開始音とするのではなく、律の2メ上下d,aを開始音にします。

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また、短7度琉球音階を使うこともできますが、民にもどる直前まで琉球音階を使うといくつかの理由から問題が起こることがあります。

下の例では琉P2を使っていますが、琉ではaからcは3メであるため1小節目では下行形導音と目的音が同音になっています。3小節目のように基本形ならば最終音は律の2メとなり良好です。上行音階の2メは2種類あるためこのようなことが起こりえます。

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このように読み替えを使う場合、フレーズを限定して練習、演奏した方が良いと思います。

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 曲例では、1カッコは律、2カッコは短7度琉のフレーズを使っています。

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