外縁の響

音楽のガイエン、そしてゲエンとしての響

島田式における即興の技術-15カ、都調導和音の読み替え

律調の導和音を主和音とした都調について考えてみます。

都調の導和音は2つの中間音を構成音として含みますが、この2つの音、e♭とb♭は元々民の中間音でした。長2度都調の導和音は主調律導和音に民中間音を付加したものの一部省略した形と同じです。核2和音も同様です。

f:id:esrajs:20200611050601p:plainしたがって、この長2度都の導和音は主調律の導和音でもあって民の旋律を使うことができることになります。そしてこのように解釈した場合、長2度都主和音4Dに収束させることをせず、二重の調で見たように民付加のまま直接主調律にもどります(3小節目)。

f:id:esrajs:20200611050815p:plain
ここで偶数フレーズを使う場合、律の2メ上下を開始音とするのではなく、民の2メ上下b♭,e♭を開始音にします。

f:id:esrajs:20200611051057p:plain
また、長2度都節音階を使うこともできますが、律にもどる直前まで都節音階を使うといくつかの理由から問題が起こることがあります。

下の例では都P2反を使っていますが、都ではe♭からcは3メであるため1小節目では上形導音と目的音が同音になっています。3小節目のように基本形ならば最終音は民の2メとなり良好です。上行音階の2メは2種類あるためこのようなことが起こりえます。

f:id:esrajs:20200611051528p:plain

このように読み替えを使う場合、フレーズを限定して練習、演奏した方が良いと思います。

f:id:esrajs:20200611051640p:plain
曲例では、1カッコは民、2カッコは長2度都のフレーズを使っています。

f:id:esrajs:20200611051747p:plain

 

前のページ次のページ

目次にもどる