外縁の響

音楽のガイエン、そしてゲエンとしての響

2023-01-01から1年間の記事一覧

改造エスラジ3-共鳴弦2・12音共鳴弦

基本的にエスラジの共鳴弦(ターラーフ)は7本の弦が1オクターブ7音に割り当てられます。 しかしこれだとラーガや音階が変わる場合、共鳴音が鳴らない音が出てくることがあります。そのため他の音も共鳴させるために、1オクターブ12音−7音=5で5本の共鳴弦を…

改造エスラジ4-消音器

消音器、いわゆるミュートは色々な楽器に使われる音量を小さくするための備品で、エスラジ自体の改造と言うわけではありませんが、テーマが煩雑になるのも避けたいのでここに書きます。 エスラジは擦弦楽器なのでバイオリンなどの西洋楽器のミュートが使える…

インドの旋律とエスラジの奏法研究3-手首の回転

このブログシリーズの3つの奏法はどれも教師から教わったものではありません。ただここで扱う手首の回転は意識の持ちようということもあって、実際は多くのエスラジ奏者が実践しているのかもしれませんが、それは私にはわかりません。 手首の回転奏法とその…

インドの旋律とエスラジの奏法研究2-二本指奏法

二本指奏法とは 左手の手首の位置をポジションと呼ぶとすると、二本指奏法では1つのポジションで人差し指と、中指または薬指を使います。三本の指を使うのになぜ二本指奏法なのか、といえば、薬指は届きづらい時に中指の代わりとして使うからです。例えばエ…

インドの旋律とエスラジの奏法研究1-伝統的な奏法

ここではインド音楽特有の旋律の音程変化から考えていきますが、演奏のために包括的にその特徴を考察するもので、個別のラーガについてはほぼ言及しません。 インドの旋律の特徴 インドの音楽は声楽(歌)が基本になっています。ですから器楽であってもそれ…