外縁の響

音楽のガイエン、そしてゲエンとしての響

島田式における即興の技術-14ア、琉調主和音化

「二重の調」で見てきた様に、主となる調と同時に二次的な調を加えることができました。ここでは民調で律音階を演奏する場合の、特に導和音の状態を考えてみます。

C民の導和音4B♭に(C民ではなく)同主C律の中間音(黒音符)を加えてみます。

f:id:esrajs:20200527235038p:plain

そしてこの導和音の中音を主音ととるとB♭琉の音階が出来上がります(2小節目)。つまりC民の導和音がB♭琉の主和音になります。総和音を書いてみると主調C民の主音がB♭琉の異向形導音になっています(赤音符)。

主調の主音に対して上下に2メからの偶数フレーズは、音階を琉球に替えた上で相変わらず使うことができます。現段階では最終音(青音符)では導和音の構成音である必要があります。

次の譜例では各段1,3小節目が琉主和音化した導和音、2,4小節目は主調民主和音を設定しています。また1小節目は琉球基本形を、3小節目は下行形導音(赤音符c)を含む形です。

f:id:esrajs:20200528010644p:plain

また、日本伝統音楽では2度が2回以上続くことはなく、2回続く場合(譜例でのラシド、またはレミファ)は真ん中の音が核音、つまり安定した音になります。ですので3連音と書かれた音列の最後、黒音符の解決音は安定音としては不自然になります。

フレーズ2の場合も同様です。

f:id:esrajs:20200528010701p:plain

曲例です。

f:id:esrajs:20200528123058p:plain

 

 

前のページ|次のページ

目次にもどる

 

島田式における即興の技術-14民調導和音の主和音化

民謡音階は1、4、5度音の核音(白音符)と短3、7度の中間音(黒音符)でできていることは見てきました。民調主和音では核音を和音音としてその間に中間音が非和音音として存在します(譜例では和音右側の小音符)。

f:id:esrajs:20200526001109p:plain

導和音では音階中間音が和音音となるため、この場では安定的な音、核音と同様の存在となり(2小節目)、替わって核1、3音は非和音音となるので不安定な中間音と同様な存在となります。

この状態は一時的に民導和音4B♭で中音を主音とした律調になった、と言えます。つまり民導和音が律調主和音になったことになります(3小節目)。これを導和音の主和音化と呼んでいます。

そしてこの長2度下の律調の導和音は長2度上の4度和音なので元の民調の主和音と同じ和音4Cとなります(4小節目)。

二重の調でやったように民謡音階以外の音階を使うことで導和音も律調以外の主和音とすることができます。以下の項では同主律音階、同主都節音階を使うとどうなるかを見ていきます。導和音を主和音とした都節調に関しては、後に別項で考察します。

 

 

前のページ次のページ

目次に戻る

島田式における即興の技術-フレーズの変形11 4音のフレーズ

言うまでもないことですが、既習の8音フレーズは分解して使うこともできます。

ここではまずP1、P2を4音づつに分解してみましょう。

f:id:esrajs:20200525224733p:plain

4音フレーズであっても奇数偶数の別があります。ここには出ていませんが、もし偶数4音+偶数4音の8音フレーズがあれば結果奇数フレーズとなります。また、これらフレーズの反行形も奇数偶数は同じになります。

上の譜例の最後、P2の後半に着目してみると、解決音は5メになっています。この音は転回すると2メとなり実際は奇数目であっても実質偶数目に解決したのと同じことになります。

この、同方向に4音続けたフレーズは意図的に目的の音に達するのに便利です。

f:id:esrajs:20200524234020p:plain

例えば目的音を主音=主和音中音とした場合、上からでも下からでも2目になる音を開始音として主音方向に2目進めば主音に達するわけですが、この主音と逆方向に5目進むことでもオクターブ違う主音に達することができます。これはどの音階でも言えることです。

既習のP2では4目に進むパターンでさらに同方向に1音足して解決音とオクターブを作ります。

f:id:esrajs:20200524235256p:plain

4音フレーズは特に番号をつけませんが、時にはむしろ短い方が使い勝手が良い場合もあります。

 

前のページ次のページ

目次に戻る

島田式における即興の技術-二重の調ク、都調と琉球音階

ここでは、下行陰音階である都節音階を基調に、上行陰音階である琉球音階の旋律が同時に鳴る状態を考えてみます。

総和音を比較してみると主和音のみが共通で他に共有できる和音はありません。都の主和音上で都節音階を演奏することは当然ながら問題ありません。

f:id:esrajs:20200523155211p:plain
都上行形の核3和音が鳴っている時は琉の長7度音と矛盾しますので琉球音階は使えません。また、都の短2度音と琉の下行形の長2度音は矛盾しますから、琉は基本形だけを使います。

都の導和音の下に琉の2つの中間音を4度で付加することができます。(下の譜例1小節目)

f:id:esrajs:20200523155855p:plain
コードシンボル下○73は中音から下に減7度と減3度(10度)音が付加されているという意味*1で、この2つが琉の中間音です。この和音では上音gを省略することも可能です。2小節目以降はこの和音のバリエーションです。

都導和音の中音と付加下7度音、導和音の下音と付加下3度音は7度を作ります。この音程を作る2音は下の譜例のように互いに反行(2→1、3→4 6→5、7→1)させるのが基本です。片方または両方を保留することもあります。

f:id:esrajs:20200523124058p:plain

これらの付加音としての琉中間音は伴奏和音として実際に奏することもできますが、それを想定して旋律のみがこれら付加音を、つまり琉球音階を奏することができます。すると、伴奏は都調、旋律は同主琉球音階という二重の構造ができあがります。

この「二重の調」全てで言えることですが、都節音階と琉球音階は交互に奏することもできますが、互いの中間音を続けて鳴らすことはできません。

また、都節音階と同主琉球音階とは核音が違いますから、都の中間音を琉のそれに入れ替えただけでは琉の旋律とは言えません。

次の譜例では上段に都調の和音を4度進行で、下段に琉調の和音を5度進行で書きました。両者は上下対称で機能も一致しています。演奏においても下段の琉和音が実際に鳴っているかいないかにかかわらず、琉旋律は都に対応する琉の機能を想定して演奏します。つまり都の主和音では琉の主和音でのように、(例えば核2音は4度音と想定)都の導和音では琉の導和音でのように演奏します。

f:id:esrajs:20200523161355p:plain

 

 次の曲例では1カッコは都節音階のまま、2カッコは基本形の琉球音階で旋律が作られています。また後半ではフレーズ2反を使いました。

f:id:esrajs:20200523162025p:plain

 


前のページ次のページ

目次にもどる

*1:○はディミニッシュ=減の意味です

島田式における即興の技術-二重の調キ、都調と民謡音階

ここでは、下行陰音階である都節音階を基調に上行陽音階である民謡音階の旋律が同時に鳴る状態を考えてみます。

すでに民調と都節音階で見てきたように総和音を比較するとお互いの主和音、都の異向形の核3和音と民の核2和音の2つは共通しています。これらの和音上で民謡音階を演奏することが可能です。

f:id:esrajs:20200522010753p:plain

民下行形では長2度音を使いますので都の短2度音と矛盾します。ですから民謡音階は基本形のみを使います。

都の導和音の下に民の2つの中間音を4度で付加することができます。(下の譜例1小節目)

f:id:esrajs:20200522011549p:plain
コードシンボル下73は中音から下に短7度と短3度(10度)が付加されているという意味で、この2つが民の中間音です。この和音では上音gを省略することも可能です。2小節目以降はこの和音のバリエーションです。

都導和音の中音と付加下7度音、導和音の下音と付加下3度音は短7度(長2度)を作ります。この音程を作る2音は下の譜例のように互いに反行(2→1、3→4 6→5、7→1)させます。片方または両方を保留することもあります。

f:id:esrajs:20200522012216p:plainこれらの付加音としての民中間音は伴奏和音として実際に奏することもできますが、それを想定して旋律のみがこれら付加音を、つまり民謡音階を奏することができます。すると、伴奏は都調、旋律は同主民謡音階という二重の構造ができあがります。

この「二重の調」全てで言えることですが、都節音階と民謡音階は交互に奏することもできますが、互いの中間音を続けて鳴らすことはできません。

都音階と同主民謡音階とは核音が違いますから、都の中間音を民のそれに入れ替えただけでは民の旋律とは言えません。

次の譜例では上段に都調の和音を4度進行で、下段に民調の和音を5度進行で書きました。両者は上下対称で機能も一致しています。演奏においても下段の民和音が実際に鳴っているかいないかにかかわらず、民旋律は都に対応する民の機能を想定して演奏します。つまり都の主和音では民の主和音でのように、(例えば核2音は4度音と想定)都の導和音では民の導和音でのように演奏します。

f:id:esrajs:20200522012605p:plain
次の曲例では1カッコは都節音階のまま、2カッコは民謡音階で旋律が作られています。また後半ではフレーズ2反を使いました。

f:id:esrajs:20200522021748p:plain

 

 

前のページ次のページ

目次にもどる

島田式における即興の技術-二重の調カ、律調と琉球音階

ここでは、下行陽音階である律音階と上行陰音階である琉球音階が同時に鳴る状態を考えてみます。

すでに琉調と律音階で見てきた様に総和音を比較するとお互いの主和音、琉の異向形の核3和音と律の核2和音の2つは共通しています。これらの和音上で琉球音階を演奏することが可能です。

f:id:esrajs:20200521004858p:plain

律上行形では短7度音を使いますので琉の長7度音と矛盾します。ですから律の核3和音を鳴らしている時に琉球音階は使えません。

律の導和音の下に琉の2つの中間音を4度で付加することができます。(下の譜例1小節目)

f:id:esrajs:20200521010540p:plainコードシンボル下73は中音から下に短7度と短3度(10度)が付加されているという意味で、この2つが琉の中間音です。この和音では上音gを省略することも可能です。2小節目以降はこの和音のバリエーションです。

これらの付加音としての琉中間音は伴奏和音として実際に奏することもできますが、それを想定して旋律のみがこれら付加音を、つまり琉球音階を奏することができます。すると、伴奏は律調、旋律は同主琉球音階という二重の構造ができあがります。

律導和音の中音と付加下7度音、導和音の下音と付加下3度音は短7度(長2度)を作ります。この音程を作る2音は下の譜例のように互いに反行(2→1、3→4 6→5、7→1)させるのが基本です。片方または両方を保留することもあります。

f:id:esrajs:20200521021001p:plainこの「二重の調」全てで言えることですが、律音階と琉球音階は交互に奏することもできますが、互いの中間音を続けて鳴らすことはできません。

律音階と同主琉球音階とは核音が違いますから、律の中間音を琉のそれに入れ替えただけでは琉の旋律とは言えません。

次の譜例では上段に律調の和音を4度進行で、下段に琉調の和音を5度進行で書きました。両者は上下対称で機能も一致しています。演奏においても下段の琉和音が実際に鳴っているかいないかにかかわらず、琉旋律は律に対応する琉の機能を想定して演奏します。つまり律の主和音では琉の主和音でのように、(例えば核2音は4度音と想定)律の導和音では琉の導和音でのように演奏します。

f:id:esrajs:20200521014510p:plain
次の曲例では1カッコは律音階のまま、2カッコは琉球音階で旋律が作られています。また後半ではフレーズ2反を使いました。

f:id:esrajs:20200521020323p:plain

 

 

 前のページ次のページ

目次にもどる

島田式における即興の技術-二重の調オ、律調と民謡音階

ここでは、下行陽音階である律音階と上行陽音階である民謡音階が同時に鳴る状態を考えてみます。

すでに民調と律音階で見てきた様に総和音を比較すると3つの和音が共通します。これらの和音上で民謡音階を演奏することが可能です。

f:id:esrajs:20200517125053p:plain
共通しない導和音について見てみます。

 律の導和音の下に民の2つの中間音を4度で付加することができます。(下の譜例1小節目)

f:id:esrajs:20200517130151p:plainコードシンボル下M73は中音から下に長7度と長3度(10度)が付加されているという意味で、この2つが民の中間音です。この和音では上音gを省略することも可能です。2小節目以降はこの和音のバリエーションです。

これらの付加音としての民中間音は伴奏和音として実際に奏することもできますが、それを想定して旋律のみがこれら付加音を、つまり民音階を奏することができます。すると、伴奏は律調、旋律は同主民謡音階という二重の構造ができあがります。

この「二重の調」全てで言えることですが、律音階と民謡音階は交互に奏することもできますが、互いの中間音を続けて鳴らすことはできません。

この下に付加された民中間音は律導和音の構成音と長7度を作ります。これを転回した短2度、短9度は響きが悪いので旋律としては長く鳴らさない様にします(1、3小節目)。それでこの律調に民旋律を使う場合、伴奏和音より下で奏すると安全です。逆に和音は高めの音域に配置する方が良いです。また、この音程を作る2音は下の譜例の2、4小節目のように互いに反行(2→1、3→4 6→5、7→1)させます。片方または両方を保留することもあります。

f:id:esrajs:20200517141210p:plain

律音階と同主民謡音階とは核音が違いますから、律の中間音を民のそれに入れ替えただけでは民の旋律とは言えません。

次の譜例では上段に律調の和音を4度進行で、下段に民調の和音を5度進行で書きました。両者は上下対称で機能も一致しています。演奏においても下段の民和音が実際に鳴っているかいないかにかかわらず、民旋律は律に対応する民の機能を想定して演奏します。つまり律の主和音では民の主和音でのように、(例えば核2音は4度音と想定)律の導和音では民の導和音でのように演奏します。

f:id:esrajs:20200517131250p:plain

次の曲例では1カッコは民謡音階のまま、2カッコは基本形の律音階で旋律が作られています。また後半ではフレーズ2反を使いました。

f:id:esrajs:20200518150131p:plain

 

 

前のページ次のページ

目次にもどる