外縁の響

音楽のガイエン、そしてゲエンとしての響

音楽理論

島田式における即興の技術-序

新しい日本音階による即興演奏の方法をメソッドとして書いていきたいと思います。 島田式は日本音階による和声を考えた自作理論です。この「島田式における即興」では小泉理論に従い、4つの基本音階、民謡音階、律音階、都節音階、琉球音階により、4度和音に…

欧米音楽での5音音階8-5音音階の創作-

今回でこの「欧米音楽での5音音階」のシリーズは最後にするつもりです。 これまではMpt(メジャーペンタトニックスケール )やmpt(マイナーペンタトニックスケール )など従来のペンタトニックスケールに加え、日本の音階についても欧米音楽での使用に際し…

欧米音楽での5音音階7 -半音進行(クロマティックアプローチ)-

今回は今までにこの「欧米音楽での5音音階」でまだ書いていない変位音を含む5音音階使いについて書いておきたいと思います。 増和音と都律 メジャートライアド(長3和音)のp5thを半音上げた和音が増和音です。この和音ではハーモニックマイナーやメロディッ…

欧米音楽での5音音階6 -同主短調からの借用-

音階の交替 これまでメジャーペンタトニックスケール(Mpt)、マイナーペンタトニックスケール (mpt)に加え、ミ*1民謡音階、ヨナ抜きの長短音階、ミ都節音階、律音階、琉球音階など多くの5音音階を見てきました。そして副Vまで考るに至っては、音階を替え…

欧米音楽での5音音階5 -副Vと都律-

副V(セカンダリードミナント) ある1つのキーに属するコード群(ダイアトニックコード)の中で完全5度を持つコード、つまり□Mや□mのコードを主和音と想定し*1、このキーのV7のコードを元のキーで借用することができます。このV7を副Vとかセカンダリードミナ…

欧米音楽での5音音階4 -律音階とドリア-

「欧米音楽での5音音階1」で書いたように、マイナーキーでは律音階の上行形が使えました。この音階の基本の形はm7°ではなくM6°が使われます。 伝統的な律音階としては特に音が上行する時にM6でなくこのm7°が出てきやすいのですが、このシリーズ記事では欧米…

欧米音楽での5音音階3 -琉球音階とフリギア-

琉球音階 欧米音楽で琉球(沖縄)音階を使うこともできます。というかよく耳にしますね。 琉球音階も基本の形に加えて主に下行の時に3度音では無く2度音を使うことがあります。 出来合いのコードプログレッションにはあまり合わない部分もありますが全てのダ…

欧米音楽での5音音階2 -ヨナ抜き短と都節-

使用可能音階の追加 欧米音楽で使われる5音音階にメジャーペンタトニックスケール(以下、Mptと略記)があるわけですが、この音階は日本で古くは呂旋法や、明治以降にできたヨナ抜き音階と同じものです。 この音階は6度音を主音にするとマイナーペンタトニッ…

欧米音楽での5音音階1 -ミmptと都上-

ここで書こうと思っているのは、長・短音階、3度和音の、いわゆる調性音楽上でペンタトニックスケール (五音音階)をメロディの創作や即興演奏にどのように活かせるか、というです。日本音楽畑の演奏家にとっても扱いやすい音階があるかと思います。 多分、…

目数の提案-5音音階の取り扱い

このブログではなるべく簡単に理解してもらえるように書いていこうと思っているのですが、今回は特に非西洋音楽に興味のある西洋音楽方面の方に読んでいただきたい記事で、邦楽方面の方にはそれほど必要性がないかもしれません。しかもやや込み入った理屈の…

日本の音階とインドのラーガ比較3-核音

西洋音楽では、同じ音列でも主音が違えば違う表情(長調・短調)を持つ。つまり並行調ですね。 並行調 もっと言えば、主音だけでなく属音(完全5度音)も違い、それによってメロディーも変わります。 これと同じようなものが日本伝統音楽にもあるかと言えば…

日本の音階とインドのラーガ比較2-異向型

西洋音楽(の調性音楽)では短調に3種類の音階がある、と説明されたと思います。この中に旋律的短音階がありますが、メロディーが上がる(上行)時と下がる時(下行)では使われる音が変わります。 旋律的短音階 下がる時の自然的短音階に比べ、上がる時は6…

日本の音階とインドのラーガ比較1-伝統音階

ここでは各音列内の、おおよその音高要素のみ*1を比較します。 インドのラーガは音高、中心となる音、音の動き、ムード、演奏される時間帯や季節、エピソードなどを包括する旋律概念で、簡単に「音階」と呼べるようなものではありませんが、ここでは音高要素…