外縁の響

音楽のガイエン、そしてゲエンとしての響

島田式における即興の技術-序

新しい日本音階による即興演奏の方法をメソッドとして書いていきたいと思います。

島田式は日本音階による和声を考えた自作理論です。この「島田式における即興」では小泉理論に従い、4つの基本音階、民謡音階、律音階、都節音階、琉球音階により、4度和音に合致した旋律、いわゆるフレーズを考察します。

即興演奏では1、ソルフェージュによってその場で生み出す真の即興と2、準備されたフレーズをその場の音楽的必要に応じて即興的に演奏する場合があると思います。考え方によっては1は一音ずつ、2は(十分に体得していれば)一つの音群として感覚的にそれを選び奏するということで、2つは同じ事だとも言えます。また多くの場合、1と2両方を即興演奏で行うと思いますが、1だけでも充分即興演奏と言えます。

1はその場でイメージする音の音程(等)を指使いに即座に変換できる能力が必要です。この場合イメージと指使いの間に音名を介することもあると思います。2ではフレーズを一まとめに準備しておく必要のある、つまりテクニカルな、トリッキーな、即座に奏するのが難しい物はフレーズを用意、練習、記憶しておくことが必要になります。

このシリーズでは2のフレーズを準備する、いわゆるフレーズ練習について考えていこうと思います。日本の伝統楽器では洋風に言うとタブ譜のように勘所や弦を指定する楽譜を使いますが、このシリーズ記事では実際の音程とリズムを指定する為五線譜を使います。楽器を問わないためでもあります。

練習は音階ごとに分けられています。自分の慣れている音階から初めてみるのも良いでしょう。

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