外縁の響

音楽のガイエン、そしてゲエンとしての響

邦楽コンサーティーナ1-A民謡音階

イングリッシュコンサーティーナで日本音楽を演奏する。というシリーズです。

A民謡音階を練習します。下の図は使用するボタンです。赤丸は主音で青丸は核2音です。核2音は主音に次いで重要な音です。*1

A民基

 

この音階を五線譜で書くと次のようになります。私のコンサーティーナでは、このオクターブ上と2オクターブ上の音域で弾くことができます。

A民基

 

「竹田の子守唄」を弾きます。この曲は昭和のフォークソングとして流行り有名になりましたが、その原曲の民謡です。

竹田の子守唄A民

youtubeから原曲部分だけを再生するようにしています。

youtu.be

こぶし

日本の伝統音楽に「こぶし」(メリスマ)はつきものです。このこぶしはほぼ小音符で書いていくつもりですが、判別が難しい場合もあるので必ずとは言えません。

演奏方法としては、基本的にこぶしはレガートで一繋がりに弾きます。また多くの場合音量は比較的小さくなるので、蛇腹使いにも工夫が必要です。例えば曲例1小節目の最後のcは2小節目最初のcより小さく弾きますが、これは小節頭で蛇腹を返すことで表現できます。それに続くこぶし(小音符)aは蛇腹をゆっくり動かすことで音量を下げ、続く2拍目のaはスピードを戻し、音量も旋律(本音符)のそれに戻します。当然こぶしが終わった瞬間アクセントがついたようにならないようにします。

 

*1:このシリーズでは理論はあまり書かないつもりです。くわしくは「島田式における即興の技術」または「島田式」を参照してください。

イングリッシュコンサーティーナの練習55-複旋律の練習

今すべてを練習する、という必要はありませんが、複旋律の練習として有益だと思いますので必要な時や日頃の練習用に掲載します。

音域の関係で今まで練習した調の一部しかありません。

Gメジャー

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複旋律Gメジャー

 

Gマイナー

複旋律Gマイナー

 

Aメジャー

複旋律Aメジャー

 

Aマイナー

複旋律Aマイナー

 

B♭メジャー

複旋律B♭メジャー

 

Cメジャー

複旋律Cメジャー

 

Cマイナー

複旋律Cマイナー




イングリッシュコンサーティーナの練習54-伴奏付きオクラホマミクサーの一部とスタッカート ーこのブロックの終わり

複旋律の準備

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伴奏準備EHm

 

オクラホマミクサー

伴奏付きオクラホマミクサーのマイナーの部分です。

下の楽譜は1段目がメロディーと伴奏全体で符幹(音符の棒)が上を向いている音符が旋律声部(メロディーライン)で、下を向いているものが伴奏声部(ここではベースライン)です。2段目は右手で弾く音を書いています。3段目は左手です。

⊓∨記号は⊓が蛇腹を引っ張る(広げる)、∨が蛇腹を押す(縮める)記号です。3小節目のsimileは同様に蛇腹使いを続けるということです。

前出のオクラホマミクサーの楽譜とはキー以外にも違いがあります。

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オクラホマミクサー1

 

続く4小節。4小節目はスラーのために4拍を∨で弾きたいので、直前の3小節目は4拍とも⊓にします。

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オクラホマミクサー2

 

ここは特に問題ないところです。2小節目1、2拍目のベースは4指での連打を避けるため指替えです。

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オクラホマミクサー3

 

※1 -1小節目の3拍目は調性上d#で楽譜にもそう書かれます(1段目)が、弾きにくいため左側のe♭(3段目)で弾きます。

※2 -4小節目の4拍目も同じく、本来a#と書かれる音ですが(1段目)弾きやすさからb♭として弾きます(2段目)。

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オクラホマミクサー4

スタッカートについて

下の図は時間に沿って音量がどのように変化するかを図形にしたものです。(いわゆるエンペローブ)

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スタッカート

ベースラインをウッドベースなどで弾いた場合はア、蛇腹を一定の速度で動かし、ボタンだけでスタッカートを表現しようとするとイのようになるかと思います。 

特に伴奏で低音の場合、イの方法は暑苦しくメロディーの邪魔になる場合が多く、このオクラホマミクサーの伴奏でもやはりアのようなスタッカートでベースラインが弾ければ理想的です。

コンサーティーナでも蛇腹を動かす速度によって音量を変化させればアのように弾くことは可能です。ただ、伴奏だけを演奏するなら良いのですが、メロディーと一緒に弾く場合は蛇腹をベースラインの都合で動かすことはできないため、この辺は諦めるしかないかもしれません。

低音のボタンをゆっくり離すことである程度イに近づくかもしれません。これは未来の課題としておきます。

 

以上で全てのボタンを使用した、調別に見た練習を終わりにします。今後は補遺としていくつかやり残した物を不定期ににでもアップしていこうと考えています。

そして、次に本来の目的であるコンサーティーナで日本音楽を演奏するシリーズ「邦楽コンサーティーナ」へ進みます。

イングリッシュコンサーティーナの練習53-Eマイナー(ホ短調)

Eハーモニック・マイナースケール(和声的短音階)のボタン配置です。全てすでに扱ったボタンで、Gメジャーのdに♯が付いたものと同じです。黄色丸がそのd#、赤丸が主音です。小さい字のE♭はD#の異名同音です。

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EHmボタン

e4〜e5は第2、e5〜e6は第1ポジションで取ります。

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基準音ex3

片側でeから上のオクターブ内のボタンはEmM7と同じ音(ミ、ソ、シ、レ#)、になります。

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EmM7

片側でeから下のオクターブ内のボタンはF#m7-5と同じ音(ファ#、ラ、ド、ミ)、になります。

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F#m7-5

2オクターブのEハーモニックマイナースケール

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EHm

練習曲は主に左手のためのものです。オクターブ上なら右手が主になります。

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EHmまみれ

aを中心にした練習です。

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Eマイナーまみれa

 

新しい音階練習を2つ。

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音階練習11

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音階練習12

 

今までの基準音にeを加えた物です。Gドリアと同じ音になります。

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基準音オクターブGdor



イングリッシュコンサーティーナの練習52-トロイカ伴奏付きAマイナー

複旋律の練習

Aハーモニックマイナーのボタンを上に数えた場合の音程です。上下左右は逆でも成り立ちます。

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ボタンの音程2Am

主音aを保続音*1としてAmM7,Bm7-5の分散和音を弾きます。上の数字は指番号で3小節目の赤い数字2は5度上のaと同じ指で押さえます。下の数字は両声部の音程です。この音域では左手で弾きますが、4小節目のg#は右手のa♭でも代用できます。

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伴奏準備Am-1

オクターブ高い場合は右手で弾くことになります。

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伴奏準備Am-2

トロイカ伴奏付き

下の楽譜は1段目がメロディーと伴奏全体で符幹(音符の棒)が上を向いている音符が旋律声部(メロディーライン)で、下を向いているものが伴奏声部(ここではベースライン)です。2段目は右手で弾く音を書いています。3段目は左手です。

⊓∨記号は⊓が蛇腹を引っ張る(広げる)、∨が蛇腹を押す(縮める)記号です。

前出のトロイカの楽譜とはキー以外にリズムにも違いがあります。ベースはスタッカートですので弾きやすいです。

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トロイカ伴奏付きAm-1

1小節目の右手の1拍目aは直前のeを2指で取ったため、3拍目で2指に替えたのは4拍目のg#を3指で取るためです。

 

5小節目の4拍目左手はc#を1指で取るのは私には結構難しいです。ただ、そうしないとメロディーのa-f が繋がらないので頑張るしかありません。無理な場合はc#を3指で取り、a-f を犠牲にするしかありません。

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トロイカ伴奏付きAm-2

最後のAmの和音は右手2指でaとeの両方を押さえます。


*1:和音とは関係なく伸ばされた音

イングリッシュコンサーティーナの練習51-Aマイナー(イ短調)

Aハーモニック・マイナースケール(和声的短音階)のボタン配置です。全てすでに使ったボタンで、Cメジャーのgに♯が付いたものと同じです。黄色丸がそのg#、赤丸が主音です。小さい字のA♭はG#の異名同音です。

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AHmボタン

a3〜a4が低音域、a4〜a5が中音域、a5〜a6が高音域で、低音域は第2、中高音域は第1ポジションで取ります。

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基準音ax4

片側でaから上のオクターブ内のボタンはAmM7と同じ音(ラ、ド、ミ、ソ#)、になります。

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AmM7

片側のaから下のオクターブ内のボタンはBm7-5と同じ音(シ、レ、ファ、ラ)、になります。

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Bm7-5

2オクターブのAハーモニックマイナースケール

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Aマイナー・スケール

1段目の練習曲は主に左手のためのもので、1オクターブ高い2段目の譜面は主に右手で弾くことになります。

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Aマイナーまみれ

下段の曲は3列目、R3のボタンは、3指でも2指でも弾けるように練習します。

 

今までやった基準音を全て弾くと1オクターブが7音になりました。これはGナチュラルマイナースケールと同じになります。

基準音として1つ1つポジションとして弾く練習です。

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全基準音+aオクターブ

が、音階としてオクターブで弾く場合は、

上行の時は低い音は上に9度上がり、高い音は下に7度下がります。

下行の時は低い音は上に7度上がり、高い音は下に9度下がります。

(この点、より詳しくはこちら。)

 

イングリッシュコンサーティーナの練習50-草競馬伴奏付き

複旋律の練習

主音aを保続音*1としてAM7,Bm7の分散和音を弾きます。上の数字は指番号で3小節目の赤い数字2は5度上のaと同じ指で押さえます。下の数字は両声部の音程です。この音域では左手で弾きますが、4小節目のg#は右手のa♭でも代用できます。

伴奏準備A-1

オクターブ高い場合は右手で弾くことになります。

伴奏準備A-2

草競馬 伴奏付き

下の楽譜は1段目がメロディーと伴奏全体で符幹(音符の棒)が上を向いている音符が旋律声部(メロディーライン)で、下を向いているものが伴奏声部(ここではベースライン)です。2段目は右手で弾く音を書いています。3段目は左手です。

⊓∨記号は⊓が蛇腹を引っ張る(広げる)、∨が蛇腹を押す(縮める)記号です。

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草競馬伴奏付きA

練習の仕方:①1段目を見て旋律声部だけを覚えます。指使いは2、3段目のものを使います。②1段目を見て伴奏声部だけを覚えます。指使いは2、3段目のものを使います。③2段目、右手だけを弾きます。④左手だけを弾きます。⑤右と左を合わせて弾きます。

 

ベースが1拍ずつ弾いて休むを続けます。ずっと伸ばすよりむしろ簡単な面もあります。3小節目のメロディーとベースのリズムのずれがちょっとやりにくいですね。メロディーは4拍目まで伸びていることにも注意して弾きます。

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草競馬伴奏付きA2-1

 

7小節目は和音が2拍ずつになるので少し練習が必要です。

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草競馬伴奏付きA2-2

12小節目1拍目の左手は繋がりからベース音aを小指で弾きます。3拍目で薬指に戻します。

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草競馬伴奏付きA2-3

 

最後16小節目はスタッカートで弾きます。2、3拍目は和音になります。

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草競馬伴奏付きA2-4

次につなぎ目を練習し、4小節から8小節、12小節と伸ばしていきます。全体をつなげて最初の手順を繰り返し、全体を完成させます。

この曲は1オクターブ上でも弾くことができます。

 

*1:和音とは関係なく伸ばされた音