外縁の響

音楽のガイエン、そしてゲエンとしての響

イングリッシュコンサーティーナの練習49-Aメジャー(イ長調)

Aメジャーのボタンです。A♭の小さい字はG#の異名同音です。

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Aメジャー・ボタン

低音域a3〜4は第2ポジションで取り、中音域a4〜5と高音域a5〜6は第1ポジションで取ります。

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ax4

片面でaから上に1オクターブ内の音を取るとAM7(ラ、ド#、ミ、ソ#)と同じ音になります。

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AM7

片面でaから下に1オクターブ内の音を取るとBm7(シ、レ、ファ、ラ)と同じ音になります。

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Bm7

2オクターブで分散和音をやります。上の譜例の3小節目のg#は7度下の基準音aから取ります。下の譜例1小節目の4拍目g#は指をボタン上に残しておき、3小節目のaを9度上として取ります。2小節目の4拍目g#のボタンからも4小節目で9度下のaを取ります。

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AM7/Bm7

Aメジャースケールの2オクターブです。

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Aメジャースケール

練習曲です。

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Aメジャーまみれ1

その1オクターブ上です。2、3小節目のdは2指で取っても3指で取っても良いので、両方練習しておきます。

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Aメジャーまみれ2

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Aメジャーまみれe

 

音階練習

曲を練習する前に、少し音階練習をやっておきます。

すでにやった形です。低音、中音、高音域で演奏可能です。

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音階練習10A

 

音階練習8の4音のフレーズを逆さにしたものです。こちらは中音域のみで演奏可能です。

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音階練習8-2A

 

イングリッシュコンサーティーナの練習48-伴奏付き鳥の歌 

ここでも音楽的というより学習としてこの段階に相応しいものを練習します。具体的には簡単でしかも和音を表現できるもの、ということでベースラインのようなものを付けます。

下の楽譜は1段目がメロディーと伴奏全体で符幹(音符の棒)が上を向いている音符が旋律声部(メロディーライン)で、下を向いているものが伴奏声部(ここではベースライン)です。2段目は右手で弾く音を書いています。3段目は左手です。

⊓∨記号は⊓が蛇腹を引っ張る(広げる)、∨が蛇腹を押す(縮める)記号です。基本的に2拍ごとに返しますが、6拍伸びているところもあり(7〜8小節目)ます。練習の最終段階以外ではもちろん守らなくても構いません。

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鳥の歌 伴奏付きCマイナー

前の伴奏付きの「子守唄」同様に、練習の仕方としてはまず、①1段目を見て旋律声部だけを覚えます。指使いは2、3段目のものを使います。②1段目を見て伴奏声部だけを覚えます。指使いは2、3段目のものを使います。③2段目、右手だけを弾きます。④左手だけを弾きます。⑤右と左を合わせて弾きます。

練習は少しずつ、2小節とか4小節ずつやります。次の譜面は1〜4小節目です。ちなみに、この曲はアウフタクトがあり最初の小節は1拍しかない不完全小節なので小節数としては数えません。1段目の上に小さいアンダーラインのある数字が小節番号です。vibはビブラートの記号です。

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鳥の歌 伴奏付き1

左手2指で弾き始めると1小節目は3指になり、4拍目は2指で3列目のf を弾くという形になります。3小節目は右手で指替えが必要になります。vibビブラートは音楽的にはちょっとカッコ悪いかもしれませんが、練習のためにつけておきます。

 

5小節目の1〜2拍は前の短旋律のこの曲とは違い8分音符に分けます。1、2カッコの「中」は蛇腹を真ん中に戻す記号として私が勝手に考えたものです。長く音を伸ばした後なので空気抜きボタンを使って4分休符の間に蛇腹を戻します。6小節目の2拍目のメロディーcは次の小節の1拍目までタイで伸ばしたいのですが、蛇腹の関係で休符にしました。

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鳥の歌 伴奏付き2

右手6小節目のf#ですが、直前のf を3-2と替え指を使い、f#を3指で取っても良いのですが、7小節目のgを3指で取れることと、3、4指の半音階の練習のためにこのような指使いにしました。指の長さの関係でやりにくすぎたら3指でf#を使っても良いでしょう。

 

続く9〜12小節目までは比較的容易です。

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鳥の歌 伴奏付き3

 

12小節目のメロディーgも3拍目頭まで伸ばしたいところですが蛇腹の関係で休符にしました。14小節目はビブラートをしながら3-2の替え指をするところですね。替え指が目立たないように練習します。

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鳥の歌 伴奏付き4

 

次につなぎ目を練習し、4小節から8小節、12小節と伸ばしていきます。全体をつなげて最初の手順を繰り返します。つまり、①1段目を見て旋律声部だけを覚えます。指使いは2、3段目のものを使います。②1段目を見て伴奏声部だけを覚えます。指使いは2、3段目のものを使います。③2段目、右手だけを弾きます。④左手だけを弾きます。⑤右と左を合わせて弾きます。そして全体を完成させます。

 

イングリッシュコンサーティーナの練習47-指替え2とビブラート

指替え2

複数の声部(メロディーとベースなど)を弾く場合、ボタンを押さえたまま別の指に替える必要が出てくると思います。同じボタンを指を替えて押す練習はもうやりましたが、今度は音が途切れないように抑えっぱなしにする方法です。

指を替えるときに少しはボタンが戻るので、音量に多少の変化が出ると思います。またこの操作で楽器が揺れ、それが蛇腹に影響して音も不安定になりがちですが、これらがなるべく邪魔にならないように練習します。

単に別の指で同じボタンを押す、音階練習3-2と同様、指はどのように替えても良いのですが、決めた方が学習しやすいので基本的には本来の指使いの後、1つ番号の少ない指を替え指として使います。ただ1指(人差し指)に替え指を使うときは替え指は2指(中指)になります。(赤数字で示しました)

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音階練習3-3-1Cマイナー

上の練習曲のオクターブ下です。練習のため、ボタンの4列目は4指(小指)を主な指、3指(薬指)を替え指とします。(赤数字) 

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音階練習3-3-2Cマイナー

次のページでは伴奏付きの「鳥の歌」をやる予定ですが、そこで使う指替えを予習しておきます。

「右2-1」は「右手の2指を1指に替える」という意味で書きました。

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指替え2-1

指替えとビブラート

指替えができてからの話ですが、指を替える時の音の揺れをビブラートでゴマかす?ようなことはできると思います。

ビブラートのやり方は(本当は色々な方法があるのかもしれませんが)今のところ私が思いつくのは左手は楽器を緩く固定して右手で蛇腹を揺らすことでビブラートを付ける方法です。

ビブラートをしながらの指替えを「鳥の歌」の予習として練習します。

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替え指2-2

複旋律の練習

主音と共にCmM7,Dm7-5の分散和音を弾きます。上の数字は指番号で3小節目の赤い数字3は替え指3でやったようにcとf を中指で弾きます。下の数字は2つの声部の音程です。

伴奏準備Cm-1

1オクターブ上でも弾きます。この音域では2、3小節目のa♭がありませんのでg#を左側で弾きます。4小節目のe♭も左側のd#で代用できます。

伴奏準備Cm-2






イングリッシュコンサーティーナの練習46-Cマイナー低音域と音階練習10

かぶる部分もありますが、Cマイナーのg3〜g4を簡単に練習します。

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Cマイナー・ボタン

第2ポジションでg3とg4を取って左右の練習をします。

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g3〜4

右手がG7(ソ、シ、レ、ファ)、左手がA♭M7(ラ♭、ド、ミ♭、ソ)と同じ音になります。

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G7/A♭M7

Cハーモニックマイナースケールと同じ音群ですが、gを主音とする音階はgハーモニックマイナーパーフェクト5ビロウ(ダウン)スケールという音階になります。

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GHmp5↓

中でもa♭を中心に練習します。

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Cマイナーまみれa♭

新しい音階練習曲です。

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音階練習10Cマイナー

 

 

イングリッシュコンサーティーナの練習45-Cマイナー(ハ短調)

すでにメジャーでやっていますが、基準とする主音です。

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基準c

基準音cを赤丸で、e♭メジャーとの違いであるbを黄丸で囲みました。このキーでもa♭6のボタンが無いのでg#6のボタンで代用します。(注)

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Cマイナー・ボタン

基準音cを最低音として上にオクターブ内の音を弾くとCmM7と同じ構成音になります。(ド、ミ♭、ソ、シ)

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CmM7

 

基準音cを最高音として下にオクターブ内の音を弾くとDm7-5と同じ構成音になります。(レ、ファ、ラ♭、ド)譜例の2オクターブ上、高音域で弾く時はa♭をg#のボタンで代用します。(赤音符)

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Dm7-5

 

2オクターブで弾いてみます。

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CmM7/Dm7-5

Cハーモニックマイナースケール カッコにある指使いは高音域のものです。

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Cマイナー

練習曲です。

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Cマイナーまみれ

オクターブ高い同曲ですが、最高音a♭は左のg#で取ります。(赤音符)

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Cマイナーまみれ2

 

イングリッシュコンサーティーナの練習44-音量バランス その他

ボタンの半押し

伴奏のある曲を弾くと、音域の違いで音量バランスが悪いことが気になります。音域が高くなるに従って音量が小さくなり、メロディーが伴奏に隠れてしまいます。楽器によって程度の差はあると思いますが、私の楽器では放って置けないほどの問題です。

コンサーティーナは1つの蛇腹で空気を供給するのですから、蛇腹でバランスを取ることはできません。それでボタンの「半押し」を使います。これも伝統的な方法かどうかは知りません。自分なりの解決策です。

1オクターブ離れたcを例にしてみます。

 

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音量バランス

まず適当なポジション、今は第1ポジションを取りc5とc6を押さえます。小指と人差し指も所定の位置に置きます。特に人差し指は確実に楽器面を支え、意図しない動きをしないようにします。

ボタンを左右で完全に押さえ、蛇腹を動かして両方の音を大きめに出します。この状態で私の楽器では上のc6の音量が比較的小さいです。次に下のc5のボタンを少しずつ離していきます。するとある位置で音量が小さくなり音が消えます。この操作を繰り返し、音が消える直前の音が小さい状態でボタンの位置を止めます。この時蛇腹は動かし続け、高い方のc6は一定の音量を保つようにします。この高い音と聴き比べ、バランスがいい場所にさらにc5を微調整します。

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半押し

残念ながら私の楽器では各ボタンの音程と音量はきれいに反比例というわけではなくバラつきがあります。ボタンの押され具合がどの位置でどれだけ小さくなるかも一定とは言えません。(もっといい楽器ならこれらのバラつきが少ないのかも知れませんが、私にはわかりません。)ですから、曲を練習する際にその時々に応じて音量バランスをボタンの半押しで調整していくことにします。

基準音

基準音も6音となりました。オクターブの下の音が大すぎないよう半押しを使って弾いてみます。

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基準音+e♭

ドラゥジーマギー

息抜きに伴奏なしのドラゥジーマギーを弾いておきます。 

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ドラゥジーマギーFdor

 

イングリッシュコンサーティーナの練習43-伴奏付き子守唄E♭メジャー

いよいよメロディーに伴奏を付けたものを練習します。

伴奏と言っても色々なものが付けられるわけですが、ここでは音楽的というより学習としてこの段階に相応しいものを練習します。具体的には簡単でしかも和音を表現できるもの、ということでベースラインのようなものを付けます。

下の楽譜は1段目がメロディーと伴奏全体で符幹(音符の棒)が上を向いている音符が旋律声部(メロディーライン)で、下を向いているものが伴奏声部(ここではベースライン)です。2段目は右手で弾く音を書いています。3段目は左手です。五線譜の間と線で分かれていますね。

練習は少しずつ、2小節とか4小節ずつやります。といっても実際はその小節の1拍前から、とか次の小節の頭まで、のように被るように練習します。譜例は1〜4小節目です。

ちなみに、この曲はアウフタクトがあり最初の小節は1拍しかない不完全小節なので小節数としては数えません。1段目の上に小さいアンダーラインのある数字が小節番号です。

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子守唄E♭-1

練習の仕方としてはまず、①1段目を見て旋律声部だけを覚えます。指使いは2、3段目のものを使います。②1段目を見て伴奏声部だけを覚えます。指使いは2、3段目のものを使います。③2段目、右手だけを弾きます。④左手だけを弾きます。⑤右と左を合わせて弾きます。

伴奏声部が1小節ずつ弾き直しですから蛇腹は小節ごとに返します。が、最初からは無理なのでとりあえず伴奏声部は切れても良いことにします。

 

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子守唄伴奏E♭2

5小節目の2拍目はa♭の弾き直しなので2拍目直前には3指を一旦離さなければなりません。しかし1拍目cはスラーが付いているのでこの時も1指は離さないようにしなければなりません。

 

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子守唄伴奏E♭3

旋律と伴奏の音域が1オクターブ以上離れてきます。これによって音量バランスが悪くなりますが、今はそのままにして練習します。解決方法は次のページで考えます。

 

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子守唄伴奏E♭4

 

つなぎ目を練習し、4小節から8小節、12小節と伸ばしていきます。全体をつなげて最初の手順を繰り返します。つまり、①1段目を見て旋律声部だけを覚えます。指使いは2、3段目のものを使います。②1段目を見て伴奏声部だけを覚えます。指使いは2、3段目のものを使います。③2段目、右手だけを弾きます。④左手だけを弾きます。⑤右と左を合わせて弾きます。そして全体を完成させます。

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子守唄E♭2-1

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子守唄E♭2-2


目指すところはメロディーがわかっていれば伴奏を付けた形で演奏できる、つまりピアノでできることはイングリッシュコンサーティーナでもできる、といった路線です。しかしかなり慣れないとできそうにありません。少なくともピアノでやるよりはかなり難しそうです。まずは譜面を書き、分解して練習し、慣れたら分解せずに、もっと慣れたら譜面を書かずに直接弾けたらいいなと思っています。