外縁の響

音楽のガイエン、そしてゲエンとしての響

イングリッシュコンサーティーナの練習19-低音域2のボタン位置と和音

低音域の最も低い音域をやります。これはソから始まっていますので、低音域1と一部重複しますがg3〜g4の音域を低音域2として練習します。

ポジションの手の形は低音域1と同じく第2ポジションですが、押さえるボタンはソです。

f:id:esrajs:20211205012101j:plain

低2gg

距離は遠いですが、右手にある最低音のソ(g3)もドを基準にして取ることができます。c4を基準に11度下のこのボタンは、7度下の真下(5度下)、または9度下の斜め下(3度下)で覚えておこうと思います。

f:id:esrajs:20211208172012j:plain

11度

しかし距離が遠すぎるため、この音はやはり独自に場所を覚えておくことも同時に必要だと思います。

 

f:id:esrajs:20211205013553j:plain

低2右g3

左手は低音域1の低いドの5度上なので、ソ(g4)のボタンは真上にあるとわかります。

f:id:esrajs:20211207205519j:plain

低2g4

さらに詳しく片方づつやっていきます。

右手

g3~g4の音域では右手はソ、シ、レ、ファを担当します。コードで言えばG7の構成音です。

f:id:esrajs:20211205024843j:plain

低2右ボタン

練習曲をやってみます。

f:id:esrajs:20211205023238j:plain

低2G7

f:id:esrajs:20211205023347j:plain

低2G7-2.3

左手

今度は左側のボタン配置です。こちらはラ、ド、ミ、ソの音でAm7と同じ構成音です。

f:id:esrajs:20211205144338j:plain

低2左ボタン

f:id:esrajs:20211205144635j:plain

低2左Am7

あと2つ練習します。

f:id:esrajs:20211205144740j:plain

低2左Am72.3

両手

左右を合わせたものをやってみます。

f:id:esrajs:20211205145050j:plain

低2両手

これで低音域2、最低音ソ〜ソのオクターブの音が出揃いました。

和音

この「イングリッシュコンサーティーナの練習」シリーズではその最終目的が邦楽(日本音楽)での運用なので、あまり西洋のコードシステムには深入りしません。ですが時々に必要なことには軽く触れていくつもりです。

Cメジャー内のコードとして、CM7とDm7に加え、今回G7とAm7を見てきました。4和音*1としては4つのコードを見ただけですが、一番高い音か一番低い音を省くことで3和音*2とすれば、調の中のすべての和音(ダイアトニックコード)が出てきたことになります。

実線の矢印が一番高い音を省いてできた3和音。破線の矢印は一番低い音を省いてできた3和音です。

f:id:esrajs:20211211195443j:plain

ダイアトニックコード

3和音でも同時に1つのコードを鳴らすのに1本の指で2つのボタンを押さえなくてはなりません。今は実際にこの練習はしません。

2台以上のコンサーティーナでの合奏で、1台を伴奏専門に使うという編曲なら良いのですが、今の段階で1台のコンサーティーナでコードの伴奏を伴う曲を練習するのは早いと考えていますので、実際の曲の練習は今はしません。

 

*1:構成音が4つの和音

*2:構成音が3つの和音

イングリッシュコンサーティーナの練習18-ポジション移動(2)

復習

中音域の復習も兼ねてちょっと脱線します。低音域の音階の練習の他のバリエーションをやります。今度は2音の反復の間を下の音で修飾します。蛇腹は1拍で返す練習もします。

f:id:esrajs:20211129094759j:plain

音階練習5

最初の小節のシの取り方ですが、第1ポジションの左3(c5)の真下の真下(5度+5度-1度=9度)*1でオクターブと2度低いシが取れます*2。または7度低いレを左2で探りその斜め(3度)下のボタンがが9度下のシになります。

f:id:esrajs:20211130035314j:plain

9°下

2オクターブの練習

前までと同じように×音符を基準にします。3小節目までにポジションを変えます。

f:id:esrajs:20211201051413j:plain

2oct音階

清しこの夜

季節柄もあって、音域の広いこの曲を弾いてみます。

f:id:esrajs:20211201052407j:plain

清しこの夜

5小節目のdに飛ぶ時は、またすぐに下がってくるのでポジションを変えるのではなく前のミから7度(斜め上の真上)で取ります。

*1:音程の足し算では元の音の1度を引きます。

*2:9度は9-7=2で1oct+2度

イングリッシュコンサーティーナの練習17-ポジション移動(1)

ポジション移動

音域が移動することに伴ってポジションも移動する必要がある場合があります。低音域から中音域に移る場合を考えてみます。

軽く中音域の復習をしておく方が良いかも知れません。

esrajs.hatenablog.com

ボタン配置

中音域と低音域のボタン配置は次の通りです。

f:id:esrajs:20211127052638j:plain

2octボタン

左側は下にCM7がありその上にDm7が乗っている形です。右側は逆にDm7の最高音のドの音で上のCM7と繋がっている形です。

左手

片手づつ見ていきます。まず左手から。

×音符は基準にするボタンです。

f:id:esrajs:20211127053005j:plain

2oct左

初めは第2ポジション(pos2)を取って2小節目に行くまでに第1ポジション(pos1)に移動します。この時左3指が×の音符c6をさわって確認していれば、7度下、つまり斜め下の真下にd5があり、小指も自然と指掛けの奥まで入っているでしょう。人差し指はなめらかにボタンに沿わせたまま移動します。

下行(3小節目以降)の時はこの逆で4小節目までに第2ポジションまで下がります。左2指を基準にすればポジションも取りやすいと思います。

右手

f:id:esrajs:20211127055654j:plain

2oct右

この譜面では中音域の第1ポジションから2小節目までに第2ポジションに降りていきます。最初の音b5は×のc5を基準として7度上で取ります。

両手

今の段階では左右の手は同じように移動する、つまり右が第1ポジションなら左も第1ポジション、左が第2ポジションなら右も、という動きにします。

次の練習曲では前半が左手、後半が右手です。

f:id:esrajs:20211127062647j:plain

2oct両手

4つのド

これまで中音域、高音域、低音域1と、3オクターブを見てきました。この中に4つのド(c4〜7)が含まれていました。これをゆっくり繋げてやってみます。

f:id:esrajs:20211127063225j:plain

4つのド

c5は第1第2どちらのポジションでも弾けるボタンなので、この音を弾いている間にポジションを移動します。

イングリッシュコンサーティーナの練習16-低音域1の曲

この低音域1でも同じ曲を練習します。

草競馬

テンポがさらに上がってより競馬っぽくなります。

f:id:esrajs:20211125131351j:plain

草競馬-低1

押すボタンの位置関係は変わりますが、曲の練習として留意することは他の音域でやったことと同じです。まずポジションをとってボタン位置を見ずに確定すること。音とリズムがある程度できたら蛇腹使いも楽譜通りやります。

草競馬がある程度できるようになり、この曲に飽きたら子守唄もやってみます。

子守唄

よりなめらかに弾くために蛇腹使いが変わります。同音反復の箇所は蛇腹の方向は変えずに同じ指で弾くことになりますが、音の間が開きすぎないようにテヌート(音の長さを十分に保つ)でなめらかに弾けるように練習します。

f:id:esrajs:20211125131721j:plain

子守唄-低1

 

イングリッシュコンサーティーナの練習15-低音域1の音階

cメジャー・スケールの練習

低音域1のCメジャースケール(ハ長調音階)を弾きます。

譜例で黒音符は左手、赤音符は右手になります。

f:id:esrajs:20211120114600j:plain

低1音階

第2ポジションのc4・c5を押さえオクターブの音を確認し、ボタン位置の基準にします。(楽譜の小さい音符)

装飾音の練習

音階練習のバリエーションを練習します。

音階練習2のおさらいです。

f:id:esrajs:20211120115317j:plain

低1音階2

この1拍分の2つの同音の間に1つ高い音を加えます。ソを例にすると。

f:id:esrajs:20211120120045j:plain

装飾1

音量やタイミングが思うようにならず、思った以上に難しいです。楽器にもよるでしょうが、同じように空気を送ったつもりでも発音がバラバラになりがちです。特に小さい音では今のところまともにはできません。練習が必要です。

これを音階に当てはめると次の通りです。

蛇腹は最初は上の譜例のように1拍で返すのが簡単ですがある程度できたら下の譜例のように半拍で返す練習もします。

f:id:esrajs:20211120115657j:plain

低1音階4

音量やタイミングにばらつきがないように練習します。

 

イングリッシュコンサーティーナの練習14-低音域1のボタン位置

低音域の中のc4〜c5、低音域1のボタンの位置を確認します。

左手

低音域1の左手です。他の音域と同じく4つの音の位置を見てみます。コードにするとCM7=ド、ミ、ソ、シになります。

f:id:esrajs:20211117161722j:plain

左手

練習曲例です。第2ポジションをとって、c4の場所を確認してから弾き始めます。蛇腹は1音ずつ、2拍ずつ、4拍で返してみます。

f:id:esrajs:20211117163348j:plain

低1CM7

各ボタンの指使いは変わりません。

f:id:esrajs:20211117162357j:plain

低1CM72,3

右手

f:id:esrajs:20211117163936j:plain

低1右手

c5のボタンを確認してから弾き始めます。右手の音はコードで言うとDm7になります。

f:id:esrajs:20211117163731j:plain

低1Dm7

各ボタンの指使いは同じでもう2つ。

f:id:esrajs:20211117163823j:plain

低1Dm7-2,3

両手

左右のドに指を置いて確認してから、右手CM7と左手Dm7を交互に弾いてみます。

f:id:esrajs:20211117164059j:plain

低1CM7-Dm7

イングリッシュコンサーティーナの練習13-低音域1とポジション

音域

音域の図を再び挙げます。

f:id:esrajs:20210918135841p:plain

音域1

他の音域と違い、低音域ではドからドまでのオクターブに加え、さらに下のソの音(g3)までを含めます。

五線譜ではこう。

f:id:esrajs:20211114164904j:plain

音域五線

第2ポジション

低音域のボタンは第1ポジションだと非常に弾きにくいです。低音域ではポジションを変えて第2ポジションで弾くことにします*1

このポジションでは低いボタンを弾くために小指を置く位置を変えます。

f:id:esrajs:20211114124740j:plain

POS2小指

小指を指掛けから外し、指掛けの下(演奏時手前)に沿わせるようにします。これもボタン位置の確認の基準とするためですので、ずっとここに着けておかなくてはならないというわけではありません。

親指は今までと同様、ストラップに第1関節までを入れます。人差し指をボタンの列に沿わせることも変わりません。

第1ポジションと第2ポジションはどこで分かれるか、ですが、これは手の大きさ指の長さで変わってくると思います。決めるとすれば、私の場合は左右オクターブで構えた時に高い方の音がf 5より上のボタンになる場合は第1ポジション、それ以下の場合は第2ポジションと基本的にはなるかと思います。

低音域1

低音域をc4〜c5と、それより低い音を分けて練習します。前者を低音域1、後者を低音域2としておき、後で別項で練習します。

では実際に押さえてみます。まず左手側から。L2列の一番下のボタン=c4を左2で押さえます。

f:id:esrajs:20211114131423j:plain

低音域1右

右手側は、ポジションは違いますが中音域でやったc5のボタンを右3で押さえます。

f:id:esrajs:20211114132247j:plain

低音域1右

左右を同時に抑えるとオクターブが鳴ります。この音域が低音域1です。

f:id:esrajs:20211114132543j:plain

低音域1cc



*1:これは自分で勝手に考えたことです。